中絶後の生理のタイミングはいつ?手術後に起こり得る症状についても解説

中絶後 生理

中絶手術後はホルモンバランスの乱れによって、生理のタイミングが通常と異なります。

結論からいうと中絶手術後の生理のタイミングは、手術の30〜50日前後になることが多いです。

しかし個人差があるため、必ずしも上記の日数で生理が来るとは限りません。

この記事では、中絶手術後の生理のタイミングについて解説します。

中絶手術後の生理不順を解消するための方法や術後に起こり得る症状、術後の妊娠・避妊についてもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

中絶後の生理周期やホルモンバランスへの影響

中絶後 生理

中絶手術をすると生理周期に影響が出て、生理の開始日は手術の30〜50日前後になることが多いです。

妊娠によってホルモンバランスが一時的に乱れることで、生理周期が変化するためです。

ホルモンバランスが元に戻るまでの期間には個人差がありますが、数週間かかることもあります。

またホルモンバランスが乱れることにより、月経量や期間、痛みなどが普段の生理と異なる場合があるため注意が必要です。

中絶手術後には不正出血が起こることもあるため、もし生理と判断がつかない場合にはすぐに医師に相談しましょう。

中絶後の次の生理のタイミングは手術方法により異なる

中絶後 生理

中絶後の次の生理のタイミングは、手術方法によって異なります。

  • 初期中絶手術:術後30~50日前後
  • 中期中絶手術:初期中絶手術よりも遅くなりやすい

ここでは上記2つの手術方法の生理のタイミングについて解説します。

初期中絶手術の場合

初期中絶手術は、妊娠12週未満(11週目6日まで)に受けられる中絶手術です。

子宮内の胎児や胎盤を医療器具により取り出す手術方法で、術後はホルモンバランスが乱れます。

術後30〜50日前後に生理を迎える方が多く、個人差によって多少前後することがあります。

1か月半〜2か月以上生理が来ない場合はクリニックを受診しましょう。

中期中絶手術の場合

中期中絶手術は妊娠12〜22週未満(妊娠21週6日まで)に受けられる中絶手術です。

生理のタイミングは初期中絶手術よりも遅くなりやすく、2か月以上かかることも少なくありません。

妊娠中期は出産に向けて身体が変化している段階で、ホルモンバランスも変化します。

この時期に人為的に陣痛を起こして流産の形で中絶するため、元のホルモンバランスに戻るまでに時間がかかりやすいのです。

さらに初期中絶手術と比べると身体的な負担だけでなく精神的負担が大きくなるため、生理が訪れるまでに時間がかかる傾向にあります。

中絶後の生理不順を解消するためのポイント

中絶後 生理

中絶手術後の生理不順を解消するためには、ホルモンバランスを整えたり、ストレスを溜め込まないことが大切です。

ここでは中絶手術後の生理不順を解消するためのポイントについて解説します。

ホルモンバランスを整える

ホルモンバランスを整えるためには、規則正しい生活習慣が大切です。

生活習慣が乱れるとホルモンバランスも乱れがちになるため、まずは生活習慣を整えることから始めましょう。

規則正しい生活習慣のポイントは以下の通りです。

  • 栄養バランスの整った食事を摂る
  • 適度に運動する
  • 質の良い睡眠をとる

最初からすべてを完璧にしようとするとかえってストレスになる可能性があるため、できることから少しずつ取り入れていくとよいでしょう。

ストレスを溜め込まない

中絶手術後は身体的にも精神的にも負担がかかり、免疫力・抵抗力が落ちている状態のため、心身ともにリラックスしてストレスを溜め込まないようにしましょう。

ストレスの解消方法には以下のようなものがあります。

  • 日光を浴びる
  • 適度に運動する
  • 映画・ドラマ鑑賞をする
  • 趣味に没頭する
  • 湯船にゆっくりと浸かる
  • 好きなものを食べる
  • 良質な睡眠をとる
  • 好きなものを食べる

自分に合ったストレス解消法を見つけてみてください。

中絶手術後に起こり得る症状

中絶後 生理

中絶手術後には以下のような症状が起こる可能性があります。

  • 出血
  • 生理痛のような痛み
  • 発熱
  • 中絶後遺症候群

ここでは上記4つの症状についてそれぞれ解説します。

出血

中絶手術後、手術によって子宮内膜が削られることにより出血が生じます。

手術直後から数週間にわたって出血が続きますが、期間や出血量は個人差があります。

この期間中は術後の感染予防の観点からもタンポンは使用せず、ナプキンを使用して対処しましょう。

また大量出血や長期に渡って出血が続く場合は、早めに医師の診察を受けてください。

生理痛のような痛み

中絶手術後は1週間程度、生理痛のような痛みが生じることがあります。

妊娠によって拡張された子宮が元に戻ろうと収縮する際に起こるものです。

通常、痛みは軽度で自然と治まり、薬物療法や休養により痛みの軽減が可能です。

痛みの感じ方には個人差があるため、痛みが強い場合には医師に相談しましょう。

処方してもらった痛み止めを服用することで、痛みを和らげられます。

発熱

中絶手術後に発熱することがあります。

1〜2日程度で治まることが多いですが、以下に当てはまる場合はすぐにクリニックを受診しましょう。

  • 38度以上の発熱が3日以上続いている
  • 38度以下の発熱が5日以上続いている

38度以上の発熱が続き、腹痛や膣からの異常な出血がある場合、子宮内感染の可能性が考えられます。

子宮内感染は放置すると腹膜炎や敗血症を引き起こす原因になり得るため、早めに医師に相談することが大切です。

中絶後遺症候群(PAS)

中絶後遺症候群(PAS)は、中絶手術により引き起こされるPTSD(心的外傷ストレス障害)の一種です。

中絶手術は身体的・精神的負担が大きいため、肉体や精神、行動面に影響が及ぶことがあります。

中絶後遺症候群の発症原因は手術そのものだけでなく、手術前後のストレスや周囲のサポート不足なども挙げられます。

中絶手術後、集中力の低下や過剰な反応、うつ状態になる、喜怒哀楽が薄くなるなどの症状が現れた場合、中絶後遺症候群の可能性が考えられます。

PASを発症したと考えられる場合、認知行動療法や対人関係療法、薬物療法といった方法で治療を行いますが、周囲の理解やサポートも大切です。

我慢したり放置したりすると、精神疾患につながる可能性もあるため、一人で悩みを抱え込まず、なるべく早めに医師に相談し適切な治療を受けましょう。

中絶後の妊娠・避妊について

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中絶手術後の妊娠や避妊について不安に思う方も多いでしょう。

結論からいうと、中絶をすることで妊娠確率が下がることはほとんどありません。

しかし中絶直後は妊娠しやすくなるため、妊娠を避けたい方は注意が必要です。

ここでは中絶直後の妊娠や避妊について解説します。

妊娠確率が下がる可能性は少ない

中絶手術を受けることで妊娠確率が下がる可能性は少ないです。

中絶手術後も妊娠・出産している方は多くいるため、将来的に妊娠を希望している方も過度に不安に思う必要はないでしょう。

ただし中絶手術による合併症や精神的なストレスが原因により、妊娠しにくくなることがあります。

中絶手術により引き起こされる可能性がある合併症は以下の通りです。

  • 絨毛遺残
  • 子宮穿孔
  • 子宮頚管損傷
  • 腹膜炎
  • 子宮復古不全
  • 子宮腔癒着

中絶手術後も必ず妊娠できるとは断言できないため、中絶手術を検討する方は医師と相談し、熟考したうえで決断しましょう。

中絶直後は妊娠しやすいため避妊が必須

中絶手術後2週間後には性交渉が行えるようになりますが、排卵時期と重なりやすい関係で妊娠しやすい時期といえます。

避妊をせずに性交渉すると、また次の生理が来る前に妊娠してしまう可能性があり、身体にも負担が大きくなります。

心身への負担を考慮すると、中絶手術後の性交渉は最初の生理が来てからにするのがおすすめです。

また妊娠を望まない場合には、必ず避妊しましょう。

避妊方法はパートナーに避妊器具を付けてもらう方法のほか、女性が主体的に避妊できる方法として低用量ピルの服用や子宮内避妊リングの装着などが挙げられます。

子宮内避妊リングは最長で5年ほどの避妊効果が期待できるもので、中絶手術を行う際に同時に挿入することが可能です。

ピルと違って毎日服用する必要がないため、ピルの飲み忘れを心配する方にもおすすめの避妊方法となっています。

低用量ピルや子宮内避妊リングなどの避妊方法を検討する場合は、医師から副作用や注意点などの説明をしっかり聞いた上で決断するようにしてください。

中絶手術後の避妊について不安なことがある方は、一人で悩まず医師に相談してみましょう。

中絶後2か月生理が来ない場合はクリニックを受診する

中絶後 生理

中絶手術後2か月生理が来ない場合はクリニックを受診しましょう。

中絶手術後、生理が来ない場合に考えられる原因は以下の通りです。

  • 子宮内容物の遺残
  • ストレスによる生理不順

生理不順が起こると正常な状態よりも避妊が難しくなり、次の生理が来る前に再び妊娠してしまう可能性があります。

上記いずれかに当てはまる場合は、自己判断で放置するのではなく、なるべく早めにクリニックを受診して適切な治療を受けてください。

まとめ

中絶手術後の生理のタイミングは手術方法によって異なりますが、手術の30〜50日前後になることが多いです。

妊娠12〜22週未満に受ける中期中絶手術の場合、初期中絶手術よりも生理が来るタイミングが遅れやすい傾向にあります。

中絶手術後はホルモンバランスの乱れによって生理周期が乱れやすいだけでなく、月経量や期間、痛みなどが普段の生理と異なる場合があるため注意が必要です。

中絶手術から2か月以上生理が来ない場合、子宮内容物の遺残やストレスによる生理不順が考えられます。

生理不順は妊娠が難しくなる原因にもなるため、2か月以上生理が来ない場合は早めにクリニックを受診しましょう。

スマイルレディースクリニックでは、「患者さんのお話をじっくりうかがう」ことを大切にしています。

中絶・中絶相談も行っておりますので、中絶手術について不安なことがある方は、まずは当院までご相談ください。